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この記事は英語講師歴20年、オンライン英会話スクール「Coogee English Online」運営の筆者が解説しています。
子供の頃に出会った、初めて感動した映画。それが私にとっての原点。
私のパソコンの壁紙は、20年以上一度も変わっていません。
初めてパソコンを買ったときから、何度も買い替えはしていますが、壁紙はずっと同じ。月を背にして少年の自転車が空を飛ぶ、あのシルエットです。
私にとって、あれは「原点」と呼べる映画です。英語が分かるとか分からないとか、それ以前に、心が激しく動いた作品でした。公開されたのが確か1982年。「悲しい」「寂しい」「可哀想」と、感情移入しすぎて、映画を観て、初めて大粒の涙をぽろぽろこぼしたことを今でもよく覚えています。
当時の私は、当たり前ですが英語なんてほとんど分かりませんでした。字幕を追うのに必死で、というか多分、日本語で見ていたはずです。もちろん日本語であってもセリフを全部理解していたわけではありません。それでも、泣いた。感動した。忘れられない作品となりました。
今振り返ると、あの体験はすごく象徴的です。言葉は、全部分からなくても、ちゃんと「伝わる」。そして、伝わる、ということが、人生の選択肢を広げてくれる、そう思えた最初の体験だったのかもしれません。
字幕なし=100%理解、ではない
英語学習をしていると、いつの間にかこんな思い込みが生まれます。
「字幕なしで映画を観るなら、全部聞き取れなきゃ意味がない」
でも、少し立ち止まって考えてみると、これはちょっと不思議な考え方です。
日本語の映画だって、私たちはセリフを一語一句、100%理解しているわけではありません。聞き流している言葉もあるし、細かいニュアンスまで拾っていないこともある。それでも物語は大体分かるし、感情は動く。
英語だけ、なぜ完璧を求めてしまうのでしょうか。
私は、字幕なしで映画を観る目標は「7割強の理解度」で十分だと思っています。
会話も、ほとんどの場合「7割の理解」で成立します。
では、その7割をどうやって日常の中で育てていけばいいのでしょうか。
私が言う「7割強の理解」のイメージ
- ストーリーの流れが追える
- 登場人物の関係性がだいたい分かる
- 複雑すぎないシーンのセリフは、ところどころ理解できる
- 感情の変化(怒ってる、困ってる、嬉しい)が掴める
これだけ分かれば、映画はちゃんと楽しめます。むしろ、楽しめるから続く。続くから伸びる。表情や間からも、何を言っているのかは伝わってきます。だから、言葉だけで全てを解ろうとしなくていい。セリフから全てをわかろうとすると、映画そのものが記憶に残らなくなってしまう可能性だってあります。
会話はテストではない
これは映画だけの話ではありません。英会話も同じです。
会話の途中で、知らない単語が出てきたとき。
「あ、ちょっと待って、今の単語、何?」
これを毎回やっていたら、会話はどうなるでしょうか。
自分も焦るし、相手もリズムを失います。会話はどんどんぎこちなくなって、楽しさが消えていく。英語で大事なのは、単語の正解を集めることだけじゃありません。
大事なのは、
- 会話に楽しく乗れているか
- 相手との空気を共有できているか
- 相手も楽しそうに話してくれているか
相手が笑ってくれていたり、話を広げてくれていたりするなら、それはもう十分「伝わっている」と言っていい。
英語はテストではありません。コミュニケーションなのですから。
分からない単語との付き合い方
「じゃあ、分からない単語は全部スルーでいいの?」というと、それも違います。
ただ、私はこう考えています。
その場で止めなくていい場面は、意外と多い
雑談や、旅先での軽い会話、映画鑑賞のような「楽しむ」場面なら、分からない単語にぶつかった瞬間に会話や視聴を止めなくていい。流れを優先して、後で調べればいい。
その単語を忘れてしまっていたら、それはそれでOKです。忘れたということは、今の自分にとって緊急度・重要度が高くなかったのかもしれない。英語って、全部を抱え込むと疲れます。取捨選択を覚えると、少し楽になります。
あとで調べるなら「メモだけ」で十分
おすすめは、会話中・視聴中は止めずに、
- 単語を一語だけメモ(スペルが曖昧でもOK)
- もしくは「どんな場面で出たか」だけメモ
このくらいにしておくこと。後から調べるとき、場面が思い出せるだけで十分です。
そしてその場面と単語をセットでインプットすることも大切です。後々、その単語を脳内から引き出すときに、あ、確かこの単語はあの場面はこんな感じで使われてたよな、と同時に思い出せるようになるからです。記憶、というのは単体で覚えたりするものではなく、何かと何かを繋げた状態で記憶をすると、スルスルっと引っ張り出せるようになっています。
目標によって、英語の強度は変わる
ここは誤解されたくないので、はっきり書きます。
「7割でいい」は、どんな場面でも当てはまるわけではありません。
精度が必要な場面
- 仕事の重要な取引・契約
- 医療・法律・安全に関わるやり取り
- 責任が発生する情報共有
こういう場面では、曖昧さはリスクになります。確認すべきところは確認する。聞き返すべきところは聞き返す。場合によっては、英語力を「ビシビシ毎日のように」鍛え続けていく必要があります。
楽しさを優先していい場面
- 映画を気楽に英語で観てみたい
- 旅行先で現地の人と軽く笑い話ができたらいい
- 英語を通して世界に触れてみたい
この目標設定なら、「楽しい」を最優先にしていい。むしろ、楽しいがないと続かないし、続かないと伸びません。大事なのは、どちらが正しいではなく、自分の目的に合った強度でやることです。
「字幕なしで観たい」は、原点に戻る合図
「私は、なんのために英語をやろうと思ったんだろう?」
成績や点数のため?いい会社に入るため?
仕事で他の人よりできるやつだと思われたいから?
もし、そこが分からなくなってしまったら、まずは原点回帰。
私の原点は、月を背にした自転車のシルエットのあの映画です。英語を完璧に理解したかったわけじゃない。ただ、あの世界に触れたかった。
英語は、目的ではなく手段。このブログのキャッチコピーでもある「英語と共に、人生の選択肢が広がる」その気持ちを、私はあの映画から教わった気がします。
あなたの原点は、どこにありますか?
仕事で活躍したい。海外で挑戦したい。映画を字幕なしで観たい。旅先で笑い合いたい。理由は人それぞれでいい。
ただ一つ言えるのは、英語はあなたの人生を豊かにするためのものだということ。あなたを苦しめるためのものではありません。
7割分かって、ちゃんと楽しめたなら、それはもう立派な前進です。
そしてきっと、楽しんでいる人から、自然と伸びていくのだと思います。
初心者でも「7割理解」で楽しめるおすすめ映画
ここからは、私が実際に観てきた中で「字幕なしでも、多少分からなくても楽しめる」と感じた作品を紹介します。
ポイントは、英語が簡単だからというよりも、映像・感情・流れで理解できる度合いが高いこと。つまり、7割理解でも置いていかれにくい映画です。
リトル・ミス・サンシャイン(Little Miss Sunshine)

家族が一緒に旅をするロードムービーで、登場人物の関係性が分かりやすい。セリフを全部拾えなくても、空気感や感情の動きで「今どんな状況か」が掴みやすい作品です。
英語学習として見るなら、日常会話のテンポや、家族のやり取りに出てくる短い表現が多く、「英会話ってこういうリズムなんだ」と感じやすいと思います。
リメンバー・ミー(Coco)

この作品は、言葉以外の情報(映像、表情、音楽、家族の空気)がとても強い。だからこそ、英語が全部聞き取れなくても、物語が心に届きます。
字幕なしに挑戦するときに、「分からない単語が出た瞬間に止まってしまう」人ほど、この映画の流れの強さに助けられるはずです。7割理解でも、ちゃんと楽しめる一本。
カンフーパンダ(Kung Fu Panda)

この作品は、オーストラリア留学中に友人たちとワイワイお泊まり会をした時に観た映画なので、よく覚えています。
物語はとてもシンプル。自信のない主人公が、失敗を重ねながらも少しずつ成長していくストーリーです。
セリフをすべて聞き取れなくても、表情やアクションで状況が伝わります。だからこそ、7割理解でも十分に楽しめる。
そして実は、この映画のテーマは英語学習にも重なります。
「自分なんて無理だ」と思っている主人公が、少しずつ自分を信じられるようになる。その姿を見ていると、英語も同じかもしれない、と思えてきます。
完璧じゃなくていい。今できることから、少しずつ。
そんな気持ちで、気楽に字幕なしに挑戦してみるのもいいかもしれません。
そして、この映画にはとても有名な名台詞があります。私も大好きなセリフです。
Yesterday is history. Tomorrow is a mystery. But today is a gift. That’s why it is called the present.
昨日は過去。明日は未知。でも今日は「贈り物」。だから“present”と呼ばれる。
英語学習も同じだと思うのです。
昨日聞き取れなかった単語にずっと落ち込まなくていい。明日完璧になろうと焦らなくていい。
今日、7割分かって、少し楽しかった。それで十分価値がある。
その積み重ねが、いつの間にか「前より分かる自分」につながっていきます。
映画を選ぶときのコツ(超シンプル)
- ストーリーが複雑すぎない
- 映像だけでも状況が分かるシーンが多い
- 感情の動きが分かりやすい
- 登場人物が多すぎない
最初から「字幕なし完璧」を狙わなくて大丈夫。7割理解で楽しめる作品を選んで、英語に触れる時間を少しずつ増やしていきましょう。
英語は、すべてを理解しようとするよりも、大まかな意味をつかむことが大切です。完璧に分からなくても、会話は十分に成り立ちます。英語に慣れるためには、日常的なテーマで英語に触れることもとても効果的です。料理のレシピに出てくる英語表現などは、短い英文が多く、初心者でも理解しやすいのが特徴です。
料理で覚える英語 | レシピでよく使う料理英語と日本料理レシピ(英語版付き)
英語は、すべてを理解できなくても大丈夫。大切なのは、少しずつ慣れていくことです。
字幕なしで観られるようになるまでのシンプルなプロセス
ここまで読んでくださった方の中には、「考え方は分かった。でも実際どうやって字幕なしに近づいていけばいいの?」と思った方もいるかもしれません。
ここで大事なのは、いきなり完璧を目指さないこと。
私がおすすめしているのは、とてもシンプルな流れです。
STEP1:まずは日本語字幕で“物語”を理解する
最初から英語力を試そうとしなくて大丈夫です。まずは日本語字幕で、物語の全体像をきちんと理解しましょう。
- 登場人物の関係性
- 物語の流れ
- 感情の動き
ここが曖昧なままだと、英語を聞き取れなかったときに一気に置いていかれてしまいます。
まずは「この映画、ちゃんと分かる」という安心感を作ることが大切です。
STEP2:英語字幕で“音と文字”を一致させる
次に、英語字幕で観てみます。
ここでの目的は、全部理解することではありません。
- 知っている単語がどう発音されているか確認する
- 聞き取れなかった部分を字幕で確認する
- 印象に残ったフレーズを見つける
全部やろうとしなくていいのです。気になったところだけで十分。
「あ、こうやって発音するのか」と気づけるだけでも、大きな前進です。
STEP3:字幕なしで“7割理解”を目指す
そしていよいよ字幕なし。
ここでの目標は、100%ではありません。
ストーリーが、なんとなく、でもいいので追えているかどうか。
分からない単語が出てきても止めない。流れを優先する。会話のリズムを感じる。
「あ、大体分かるかも」
その感覚が持てたなら、それはもう大きな成長です。
STEP4:好きなシーンだけ繰り返す
1本すべてを完璧にしようとしなくていいのです。
好きなシーン、心が動いたシーンを何度も観る。
感情とセットで英語を覚えると、記憶は驚くほど定着します。
「あ、このセリフ、あの場面だ」
そんなふうに、言葉と映像がつながっていく感覚を楽しんでください。
英語は、苦しみながら身につけるものではありません。
楽しみながら触れているうちに、気づいたら前より分かるようになっている。
そのくらいの距離感が、実は一番、長く続く英語との付き合い方なのかもしれません。
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