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こんにちは!この記事は、英会話講師歴20年、オンライン英会話スクール「Coogee English Online」の運営者が解説しています
この記事は「英語と思考・人生」について書いた記事から枝分かれした記事のひとつです
英語と思考・人生 完全ガイド | “合格のため”を超えた英語コラム集
「英語になると、なぜか本音が言えなくなる」
日本語ならスラスラ話せるのに、英語になった途端に言葉が止まってしまう。 それは語彙や文法の問題ではなく、“心”の動きによるものかもしれません。
この記事では、英会話で本音が言えなくなる理由をほどきながら、「うまく話す」より「正直に話す」ことが、なぜ人の心を動かし、人生まで動かしていくのかを、英語講師20年の視点でお話ししていきます。
この記事でわかること
- 英語になると本音が言えなくなる、その心の正体
- 「間違えたくない」が本音を閉じ込めてしまう仕組み
- うまく話すより、正直に話すほうが伝わる理由
- 英会話を「本音と向き合うトレーニング」に変える視点
英語になると、本音が言えなくなる瞬間

日本語ではスラスラ話せるのに、いざ英語になると急に言葉が止まってしまう…
英会話レッスンをしていると、そんな場面に何度も出会います。 頭の中にはちゃんと意見があるのに、それを英語にしようとした瞬間、ふっと霧がかかったようになる。 単語がわからないから、というよりも、「これを言っていいのかな?」という迷いが先に立ってしまう。 実はそこに、本音が隠れています。
英語は自分を外に出す言語です。 Yes か No かをはっきり伝える文化の中で使われることが多いからこそ、曖昧なままでは前に進みにくい場面もあります。 その空気を感じ取ると、普段は柔らかく包んでいる自分の気持ちを、いきなり直球で投げなければいけないような感覚になることがあります。 すると、言葉よりも先にブレーキがかかってしまうのです。
正解を探しすぎる心のクセ
もうひとつ大きいのは、「正しい英語を言わなければ」という思い込みです。 文法は合っているか、発音は変ではないか、相手にどう思われるか。 そんなチェック項目が頭の中に並び、本来伝えたかった気持ちが後回しになります。 本音は、完璧な文章の形をしていないことも多いものです。 迷いながら、言葉を探しながら出てくるのが自然なのに、その揺らぎを許せなくなってしまうのです。
日本語では「ちょっと」「なんとなく」「別にいいけど」といったクッション言葉を使って自分を守ることができますが、英語では、その曖昧さがうまく機能しないと感じる瞬間があります。 だからこそ、遠慮や配慮がそのまま沈黙に変わってしまうこともあるのです。
言葉の問題ではなく、自己開示の問題
英語が出てこないのは、単なる語彙不足ではない場合もあります。 本当はどう思っているのか、自分自身がまだ整理できていない。あるいは、そこまで踏み込んで見られたくない。そんな気持ちが、英語というフィルターを通すことで、よりくっきり浮かび上がります。 英会話は、語学学習であると同時に、自分の内側を少しだけ外に出す行為でもあるのです。
だから私は、言葉が詰まる瞬間を否定しません。 その沈黙の中にこそ、本音が潜んでいることがあるからです。 英語が止まったとき、「単語が足りない」と責めるのではなく、「私はいま、何を言おうとしているんだろう」と問いかけてみる。 その小さな視点の変化が、英会話をただのスキルではなく、自分を知る時間へと変えていきます。
英語になると本音が言えなくなる。 その事実は弱さではありません。 むしろ、自分の気持ちを大切にしている証拠かもしれません。 英会話の教室は、上手に話す場所である前に、少しずつ本音を試してみる場所。 そう考えると、言葉に詰まる瞬間さえも、意味のある時間に見えてくるのです。
ちなみに、ですが、私は、英語の方が結構図々しく本音を言えます。 日本語は割と、言葉の角を丸くしてやんわり遠回しに伝えることを美徳とします。 ですが英語は、どちらかと言うと正直な気持ちを包み隠さずストレートに伝えることを好みます。 相手のことを思ってオブラートに包んだ伝え方も素敵だと思いますが、英会話の場合は少し図々しいくらいが丁度いいのかも、と考えます。 正直な気持ち、というのが、相手への思いやりと捉えられるからです。
「間違えたくない」が本音を閉じ込めてしまう理由

英会話の現場でよく耳にするのが、「間違えるのが怖いんです」という言葉です。 これはとても正直な本音だと思います。 英語はテストの科目として長く向き合ってきた方が多いので、「正解か不正解か」で判断されるもの、という感覚が強く残っています。 その記憶が、会話の場面でも無意識に顔を出してしまうのです。
けれど、会話は本来、正解を当てるゲームではありません。 相手と気持ちや考えをやりとりする時間です。 それでも「間違えたくない」という思いが強くなると、まず頭の中で完璧な英文を作ろうとします。 主語は合っているか、時制は正しいか、単語の選び方は適切か。 そうしているうちに、最初に伝えたかった気持ちは少しずつ遠のいていきます。 そうなると、諦めの連続で「本当に言いたいことはなんだったんだろう…」と自己嫌悪に陥ってしまうので、間違ってもいい、とにかく言葉にしてどんどん出していきましょう。
評価される前提で話していないか
間違えたくない気持ちの奥には、「評価されるかもしれない」という緊張があります。 相手が先生であれ、ネイティブスピーカーであれ、「変に思われたらどうしよう」という不安が先に立つと、自分の本音よりも安全な表現を選びがちになります。 本当は賛成ではないのに「That sounds good.」と返してしまったり、本当はモヤモヤしているのに「I’m fine.」で終わらせてしまったり。 こうして本音は、丁寧に閉じ込められていきます。
もちろん、配慮や思いやりは大切です。 ただ、それが「自分の気持ちを出さない理由」になってしまうと、会話はどこか表面的になります。 英語力の問題というよりも、自己表現へのブレーキが強くかかっている状態です。
「全部は聞き取れなくても大丈夫」——会話でよくある場面と心の持ち方はこちら
英語は全部聞き取れなくても大丈夫 | 英会話レッスンでよくある場面
間違いを避けるほど、言葉は小さくなる
不思議なことに、間違いを避けようとすればするほど、使う言葉はどんどん小さくなります。 短いフレーズ、無難な相づち、当たり障りのない話題。 本音はたいてい、少し勇気のいる内容です。 自分の価値観や経験、好き嫌いが含まれるからこそ、完全に安全な形では存在しません。
英会話で本音を話すとは、流暢に長く話すことではなく、「私はこう思う」と静かに差し出すことです。 そのとき文法が少し揺れていても、言い直しがあっても、気持ちは伝わります。 むしろ、探しながら話す姿に人間らしさがにじみます。
「間違えたくない」という思いは、真面目さの証でもあります。 でもその真面目さが、自分の本音を閉じ込めてしまっているとしたら、少しだけ力を抜いてみてもいいのかもしれません。 完璧な英文を目指すよりも、いま感じていることを一文で伝えてみる。 その積み重ねが、英会話を評価の場から、対話の場へと静かに変えていきます。
やさしく会話を引き出してくれる環境から始めてみるのもオススメです!
うまく話すより、正直に話すほうが伝わるという現実
英会話というと、「流暢に話せること」がひとつの目標のように語られがちです。 確かに、言葉がスムーズに出てくると安心感がありますし、自信にもつながります。 でもレッスンを重ねる中で私が何度も感じてきたのは、うまさよりも正直さのほうが、場の空気を動かすということです。
文法が整っていても、どこか借り物のような言葉は、相手の心に強く残るとは限りません。 一方で、少し言い淀みながらでも、「I was actually nervous.」や「To be honest, I don’t agree.」といった率直な一言には、その人らしさがにじみますね。 完璧ではないけれど、そこに体温があるからです。 だからこそ、相手も自然と耳を傾けます。
本音はシンプルな言葉でいい
本音を伝えるのに、難しい単語や長い文章は必ずしも必要ありません。 むしろ、シンプルな表現のほうが力を持つこともあります。 「I like it.」「I’m not comfortable with that.」「I need more time.」 どれも特別な語彙ではありませんが、自分の立場をはっきり示す言葉です。 そこに自分の経験や感情が重なると、文章は自然と厚みを帯びてきます。
うまく話そうとすると、どこか“正しい英語”を演じようとしてしまうことがあります。 でも正直に話そうとするとき、人は自分の感覚に戻ります。
いま何を感じているのか? どうしてそう思ったのか?
そのプロセスをたどりながら話すからこそ、言葉は多少つまずいても、意味は届いていきます。
対話はキャッチボールでできている
会話は、一方的なスピーチではありません。 相手がいて、その反応があり、また言葉が返ってくる。 そのやりとりの中で関係性が生まれます。 正直な言葉は、ときに小さな緊張を生みますが、それがきっかけで相手も本音を返してくれることがあります。 「Actually, I feel the same.」と返ってきた瞬間、場の空気がふっとやわらぐこともあります。
英語で本音を話すことは、自分の輪郭を少しだけはっきりさせることでもあります。誰にでも好かれる無難な表現を選ぶのではなく、「私はこう考える」と伝える。 その姿勢が、会話を深めていきます。 流暢さは後からついてくることもありますが、正直さはその場でしか生まれません。
うまく話せた日よりも、勇気を出して正直に話せた日のほうが、心に残ることがあります。 英会話は技術の練習であると同時に、自分の言葉を信じる練習でもあるのだと思います。
正直な一言に宿る“体温” 「感情をのせて伝える」感覚はこちらで深めています
英会話は、自分の本音と向き合うためのトレーニング

英会話は単なる語学の練習ではなく、自分の内側にある声と向き合う時間でもあります。 新しい言語を使うとき、私たちは少し不安定になります。 いつも通りの自分ではいられない感覚があり、そのぶん本音が浮き彫りになります。 何に戸惑い、どこで黙り込み、どんな話題で目が輝くのか。 英語は、その反応をはっきり映し出す鏡のような存在です。
本音と向き合うといっても、大げさなことをする必要はありません。 レッスンの中で「今日はちょっと疲れています」と言ってみる。 「その意見には少し違和感があります」と伝えてみる。 そんな小さな一文が、自分の感覚を丁寧に扱うきっかけになります。 英語で言うことで、どこか客観的になり、自分の気持ちを冷静に見つめられる瞬間もあります。
ひとりでも本音を言葉にできる「英語日記」の話はこちら
本音を言葉にする練習
私たちは日常の中で、無意識に本音を飲み込むことがあるかと思います。 空気を読んだり、波風を立てないようにしたり。 それ自体は悪いことではありませんが、それが習慣になると、自分が何を感じているのか分からなくなることもあります。 英会話では、一文ずつゆっくり組み立てるぶん、自分の気持ちを確認しながら話す余白が生まれます。
「I’m not sure.」「I need to think about it.」 そんな言葉を口にするだけでも、自分の立場をはっきりさせる練習になります。 曖昧に笑ってやり過ごすのではなく、いまの正直な状態を伝える。 そこから会話が始まることもあります。
言語を超えて残るもの
英語が上達することはもちろん嬉しいことです。 でもそれ以上に、自分の考えを持ち、それを言葉にできる感覚は、どの言語でも活きていきます。 本音を話す経験を重ねると、相手の本音にも耳を傾けられるようになります。 会話はテクニックだけで成り立つものではなく、お互いの誠実さで深まっていくものだからです。
英会話の時間は、誰かになるための時間ではありません。 今の自分のまま、少しだけ勇気を出して声にする時間です。 言葉がつかえても、言い直しても、その過程ごと大切にしていい。 そう思えると、英語は試験科目でも、特別なスキルでもなく、自分を表現するひとつの手段になります。
本音を言葉にすることは簡単ではありませんが、英会話という場は、その練習をやさしく支えてくれます。 完璧さよりも誠実さを選ぶ。 その選択を積み重ねていくうちに、英語だけでなく、もしかしたら自分自身との関係も、少しずつ変わっていくのかもしれません。
英語学習に奮闘する主人公・文太の物語「浮世茶屋」
本音と勇気をめぐる第三話も、ぜひ覗いてみてください
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



